組合長 中濱秀之
2025年01月06日
新年のご挨拶
ご安全に。組合員ならびにご家族の皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は労働組合の諸活動に対しまして、多大なるご理解とご協力を賜り誠にありがとうございました。和歌山労組を代表致しまして衷心より御礼を申し上げます。
年頭にあたり、我々を取り巻く環境と本年の課題等について触れ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
足もと鉄鋼産業は、国内・海外ともに製造業・建設業が低迷し、世界鉄鋼需要は下期にかけ一層厳しさを増す危機的な状況であり、加えて中国の過剰生産・輸出増加に伴って、各国・地域では通商措置の発動や、輸入材への圧力も高くなっています。このような環境下において、日本製鉄は国内グループ会社の事業再編による体質強化や海外事業への設備投資等を進め、製鉄事業の更なる強化を図っているところです
また、鉄鋼需要が縮小する国内の製鉄事業の収益力の向上については、高付加価値製品の比率を上げるべく、電磁鋼板、ハイテン(高張力鋼板)、13Cr・ハイアロイ系のシームレス鋼管の拡販に注力をしていくことから、社の負託に応えるべく更なる安定生産・操業が求められています。形鋼においては、建設需要が滞り低位での生産が続いていますが、生産拠点が集約される中、唯一メガハイパービームを生産できる大形ミルとして、今後の需要回復に備えていただきたいと思います。
このような経営状況を踏まえ、和歌山労組は第54期後半年度の節目として、新年を迎えた今、新たな気持ちで活動方針に沿った諸活動を展開していく決意です。
まず、「安全と健康の確保」については、組合員の幸福を追求する労働組合の最優先課題であることは言うまでもありません。一昨年から続く災害の連鎖を断ち切り、誰もが安全で安心して働ける製鉄所をめざし、緊張感を持った現場作業と規律ある職場環境の構築に向け、門前立哨や現場巡視を中心とした啓発活動の継続と、労使・直協の更なる連携を図り、安全活動を強化してまいります。
次に、「経営対策の強化」については、2025年度が中長期経営計画の最終年であり、日本製鉄は実力ベース事業利益9,000億円以上を目指すとしており、達成に向けて更なる安定生産・操業はもちろんのこと、一段の努力が求められています。和歌山地区においては、今年3月末には第4コークス炉、25年度末には小径シームレス西工場、26年度末には薄板工場の休止が控えており、当該職場で働く皆様には、多大なるご理解とご協力をいただいております。日本製鉄が将来に亘り世界の鉄鋼メーカーと競い合い、揺るぎない経営基盤を確立するために、関西製鉄所和歌山地区の製造実力を向上させ、組合員皆様の生活の安心・安定に直結する経営施策であることを改めてご理解いただければ幸甚です。
続いて、「AP25春季取り組み」については、昨年のAP24において、金属産業トップクラスとなった賃金水準を維持・向上すべく、他産別・企業等の動向を注視しつつ、組合員一人ひとりの活力発揮、優秀な人材確保・定着に向け「人への投資」として、基本賃金の改善を求めていくこととします。長らく続いたデフレの時代を脱却し、賃金・物価・経済の好循環を実現させるためにも、日本製鉄グループ関係・協力会社各組合への交渉支援を行い、「格差改善」に向けた役割も果たしてまいります。
さらに、「産業政策および政策・制度の実現」については、本年7月に予定されている第27回参議院議員選挙に向けて、基幹労連の擁立候補予定者である、JAM出身の「郡山りょう」氏を推薦し、和歌山労組も1年以上に亘り支援活動を展開しているところです。製造現場で働いていた経験のある「郡山りょう」氏は、ものづくり産業で働く者の代表として、我々の思いを国政の場に伝える資質は十二分に兼ね備えております。どうかご家族ならびに友人・知人まで「郡山りょう」氏の支援の輪を広げて下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
いずれにしましても、和歌山労組第54期の運動方針で掲げた5つの基本スタンスと、それに紐付く具体的な活動を完遂すべく、残りの任期を執行部・支部が一丸となって取り組んでまいりますので、皆様におかれましては引き続きのご理解とご協力をお願いする次第です。
結びにあたり、本年が組合員の皆様とご家族にとりまして幸多き年となり、心豊かに明るく健やかにお過ごしされます様、心からご祈念申し上げます。
ご安全に。