日本製鉄和歌山労働組合

日本製鉄和歌山労働組合は組合員の『安全と健康』の確保を最優先課題として活動に取組んでいます。

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組合長 山本龍一

組合長挨拶

2020年03月13日

【中央委員会組合長挨拶(要旨)】

 ご安全に。
 本日の委員会、お疲れ様でした。
 まずは、足もと会社の新型コロナウィルス対策に対する様々なご対応や業務への影響など、大変な毎日を余儀なくされている点に加え、組合活動も一定の制限をせざるを得ず、本日も出席人数の制限をさせて頂きました。こうした中でも出来る限りのご協力を頂いており感謝申し上げます。ただし、当面はどうなるか分からないのが実情でありますので、毎日情報を入手しながら適宜判断していくことへのご理解をお願い致します。議長からお時間を頂きましたので2点申し上げたいと思います。

 1点目はAP20春季取組みについてであります。
先ほどご報告させて頂きましたが、今次取組みでは2020年度3,000円、2021年度3,000円の財源投入という賃金改善への組合要求に対し、会社回答が示されなかったことについて、厳しい経営状況から「要求する・しない」の判断が組合として非常に困難であった中、やはり「人への投資」やグループ・関係・協力会社の各組合への社会的責任を果たす観点からも要求することを決断しました。
 要求を掲げた以上、当然ながら会社回答を引き出すべく全力で取組み、先日の第3回団体交渉では、日本製鉄労連加盟単組を代表して和歌山労組から現場の率直な思いを披瀝させて頂き、この度の生産設備構造対策のプレッシャーに負けない「人への投資」が何としても欲しいとの気持ちを持ちながら回答日を迎えた訳です。
 しかしながら、我々の認識を超える経営難であり、賃上げは現実的ではないと判断をされた会社の決断を重く受け止めつつ、日本製鉄労連を中心に会社への再考要請という姿勢を示しており、組合としての主張を続けて参ります。
 然(さ)は然り乍ら(さりながら)、今次取組みを通じて鉄鋼産業の中長期にわたる課題を、改めて労使間にて認識共有する機会となったことも事実であります。今後、支部役員や職場組合員の皆様との対話活動を通じて現実的な方向性を議論させて頂きたいと思います。その中では、今回同時に示された65歳定年延長および人事処遇制度の改訂を始めとする各種制度改訂についても、可能な限り意見交換をさせて頂きます。

 2点目は生産設備構造対策についてであります。
 2月7日の会社発表は皆様と同じく青天の霹靂でありましたし、なぜなのかとの正直な気持ちが今も完全に払拭できていないのが本音であります。
 しかし改めて考えてみると、鉄鋼産業は随分早くから世界規模で再編が進んでいました。日本も1970年(昭和45年)に八幡製鐵と富士製鐵の統合により新日鐵が誕生し、トヨタ自動車に抜かれる10年後まで売上高日本一が続きました。2003年には川崎製鉄と日本鋼管が統合しJFEスチールが誕生しましたし、2005年の新日鐵・住友金属・神戸製鋼による3社連携が始まって以降、一層の推進が続きました。そして2012年に誕生した新日鐵住金が商号変更を経て現在に至る訳です。
 そもそも製鉄所の存在は、地域における雇用や経済など影響力が大きいので、北海道から九州まで各地区の製造拠点を温存してきた歴史はご承知の通りですが、日本企業の統合・再編は規模が大きくなるだけではなく、今や必要なスリム化が不可欠であります。
 世界規模で見てみると、鉄鋼メーカー粗鋼ランキング1位は、2006年に別々の国にある製鉄所が統合したアルセロール・ミッタルであり、年間9千万トン超の粗鋼能力を有します。そして、ベスト10には中国企業が5つもあり統合・再編による国営製鉄所がほとんどです。日本製鉄は3位から4位あたり、JFEは8位、神鋼は50位、日新は83位です。
 さらに、中国の勢いは止まることなく、このままでは日本の鉄鋼は埋もれてしまうことは明白です。日本の鉄鋼メーカーは残念ながら世界から遅れをとったと言わざるを得ません。
 そこで勝負のカギは、体質をスリム化し、他国に真似されないほどの高品質製品を生み出し続けるしかありません。儲かる仕組みを構築するべくぜい肉をそぎ落とす苦渋の決断が今回発表の施策であると認識しております。
 呉製鉄所の閉鎖はもとより、名古屋製鉄所の厚板ライン休止など非常に残念な施策でありますし、和歌山製鉄所の第1高炉、第4・第5コークス炉、第5-1焼結機、第3連続鋳造機の一部休止は、先ほども申し上げましたが青天の霹靂であるものの、4月からの日本製鉄、とりわけ関西製鉄所が儲かるために不可欠であるとして判断されました。
 しかし、現時点では生き残るための挑戦前の段階であり、今次施策の答えが出るのは将来です。その答えが正解となるよう、労使・直協の現役の我々が頑張るしかありません。日本製鉄は「総合力世界№1の鉄鋼メーカー」の目標は変えていませんし、その高い目標に向かって、和歌山・堺・海南で頑張っておられるすべての組合員に、今こそ底力を発揮して頂きたいと思っています。
 そして今後も与えられたポジションで、あくまでも前向きに業務に邁進されますよう切に願うところです。ご縁があって、ご自身・ご家族のために働いておられる日本最大の鉄鋼メーカー「日本製鉄」の社員であるとの自負や誇りをもって頂きたいし、そのように心底思える会社に我々の頑張りで挑戦するしかありません。
 特に若年層の皆様におかれましては、配属された職場で自らの能力を発揮しながら後継者との期待を背負われ日々お仕事をされております。会社にとって貴重な人財である皆様に未来を託す他、選択肢はないのです。労働組合も然り、優秀な組合役員となって頂き、現場の代表である頼もしいリーダーに後進を譲り、歴史と伝統を繋いでいくことが至上命題です。

 日本の鉄鋼業はしばらく冬の時代が続くでありましょうが、春は必ず来るとの信念で、我々自身で和歌山製鉄所そして関西製鉄所を魅力ある事業所にして参りたいと決意しているところです。
 労使の目標はただひとつ、会社が繁栄し社員である組合員が幸福であることです。労働組合としての存在意義・求心力を示すさらなる機会となりました。どうか支部役員、青年女性部、執行部の絆を一層深めて組合員のために頑張って参りましょう。本日ご出席が叶わなかった中央委員をはじめ、支部委員、青年女性部員、そして職場組合員によろしくお伝え願います。
                                   ご安全に。

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